
紙の誕生前、絵や文字の記録材料には様々なものを使っていました。亀の甲、石、粘土板、ヤシの葉、羊の皮、木簡、絹などがありましたが、その中でも一番紙に似たものがパピルスです。パピルスは紀元前3000年頃、エジプトにて用いられるようになりました。
パピルスとはパピルス草の茎を細かく裂いて縦横に並べ、シート状にしたものです。パピルスは英語の「paper」を始めとして、ヨーロッパ諸国の「紙」の語源になっています。
しかし、パピルスは書写材料であっても「紙」ではありません。紙とは「植物繊維であるパルプやその他の繊維を水中で叩き、ばらばらにほぐして、漉き上げて薄く平らに伸ばしたもの」と定義されます。つまり、紙とは繊維を強く絡み合わせて作られているものですので、パピルスは「漉く」という工程がないため、紙とはいえないのです。